【IP戦略】ソニーがスヌーピー買収、他のキャラクターは？

1. ニュースの概要

2025年12月19日、ソニーグループは「スヌーピー」などのキャラクターで世界的に親しまれるコミック「ピーナッツ（Peanuts）」の権利を保有する「ピーナッツ・ホールディングス（Peanuts Holdings LLC）」を連結子会社化すると発表しました。

2. 買収の背景と詳細

• 取得比率： 傘下のソニー・ミュージックエンタテインメント（SME）とソニー・ピクチャーズ（SPE）を通じて、カナダのWildBrainが保有する約41%の持分を追加取得。既存の保有分と合わせ、計80%の株式を保有。
• 買収額： 約6億3000万カナダドル（日本円で約710億円）。
• 権利関係： 残りの20%は、原作者チャールズ・M・シュルツ氏の遺族が引き続き保有し、ブランドの伝統を維持。

3. ソニーの戦略的狙い

ソニーは「ピーナッツ」を、特定の媒体に縛られない「全方位で活用可能な世界的IP（知的財産）」と位置づけています。

これまでの「スパイダーマン（映画化権のみ）」や「鬼滅の刃（製作関与）」といった活用範囲が限定されていたIPと比較し、映画、音楽、ゲーム、マーチャンダイジングなど、グループの総力を挙げて多角的に展開できる強みがあります。

4. 今後の展望

SMEが経営を主導し、SPEと連携してグローバル展開を加速させます。2025年に連載開始75周年を迎えた「ピーナッツ」のブランド価値をさらに高め、デジタルプラットフォームや劇場作品、YouTube展開などを通じて、エンタメ戦略の柱として育成していく方針です。

1. 映像・映画展開（ソニー・ピクチャーズ）

これまでApple TV+が独占的に進めてきた配信アニメに加え、劇場での大型展開が予想されます。

• 「スパイダーバース」チームによる新作映画：最先端のアニメーション技術を用いた、全く新しいビジュアルのスヌーピー映画。
• YouTube展開の強化：ソニーのネットワークを活用し、短編アニメーションや子供向けコンテンツをグローバルに配信。

※既存のApple TV+との契約（2030年まで）を維持しつつ、新たな劇場公開作品を模索する可能性が高いです。

2. ゲーム・メタバース（PlayStation）

ソニーのゲーム事業（SIE）との連携により、ファン層の拡大を狙います。

• PlayStation向けコンシューマーゲーム：高画質で描かれる癒やし系のアドベンチャーゲームや、家族向けのパーティーゲーム。
• メタバース空間での活用：PlayStation内やRobloxなどのプラットフォームで、スヌーピーの世界を体験できる仮想空間の構築。

3. 音楽・ライフスタイル（ソニー・ミュージック）

既にSMEJが主導してきた実績をベースに、さらに深いブランディングが行われます。

• サウンドトラックと所属アーティストのコラボ：ソニーの有名アーティストによるテーマ曲起用や、スヌーピーの世界観を音楽で表現するプロジェクト。
• テック×ライフスタイル：ソニーの家電（ヘッドホンやポータブルスピーカー）とのコラボレーションモデルの発売。

4. 体験型エンタメ（ロケーション・ベース）

ソニーが近年力を入れている「現実世界での体験」への導入です。

• Sony Parkや展示会での常設展開：銀座のSony Parkや海外の拠点での没入型展示の開催。
• テーマパーク内での存在感：特定のパーク内でのアトラクション開発や、新しいコンセプトのカフェ展開。