テルモ株式会社は、英国OrganOxの買収により臓器移植分野に参入し、革新的な医療機器「metra®」で肝臓移植の成功率を向上させます。GS26成長戦略に基づき、デリバリー事業、デバイスユーティクルズ、デジタル技術の活用で中長期の持続的成長を目指し、医療機器業界での競争力を強化します。社会的意義の高い臓器移植市場での展開が期待されます。
テルモは2025年8月25日、移植用臓器の保存・輸送機器を手掛ける英国企業オルガノックスを約15億ドル(約2200億円)で買収すると発表しました。現状の業績は好調ですが、新たな収益源となる製品が不足している課題に対応するため、臓器移植分野の技術に参入し、中長期的な持続的成長を目指します。臓器移植は治療の選択肢が限られる患者にとって重要で、社会的意義の大きい事業です。
OrganOx(オルガノックス)は、臓器移植の分野で革新的な保存技術を提供する英国の医療機器メーカーです。2008年にオックスフォード大学からスピンオフとして設立され、現在はテクノロジーの商業化と国際展開を進めています。
OrganOxの中心的な製品は「metra®」というデバイスで、肝臓を体温(37℃)に近い状態で保存し、酸素と栄養素を含む液体を循環させることで、保存期間を最大24時間に延長します。この技術は従来の冷却保存法と比較して以下の利点があります:
metra®は世界中で6,000件以上の肝臓移植に使用されています。
OrganOxは腎臓移植向けのNMPデバイスの開発を進めており、2030年の商業化を目指しています。これにより、さらなる臓器移植の成功率向上と患者の生活の質(QOL)の改善が期待されます。
2025年8月に日本のテルモ株式会社に約15億ドル(約2,200億円)で買収され、テルモの完全子会社となりました。この買収により、テルモは臓器移植分野への参入を果たし、OrganOxはグローバルな展開と研究開発の強化を図っています。
OrganOxの技術は、臓器移植の成功率向上と患者のQOLの改善に貢献しており、今後の展開が注目されます。
テルモ株式会社は、企業理念「医療を通じて社会に貢献する」を実現するため、以下の中長期成長戦略「GS26」を掲げています。
「GS26」は、2026年度を最終年度とする5カ年の成長戦略で、以下の目標を設定しています:
テルモは、以下の3つの主要事業領域に注力しています:
2025年8月、テルモは英国のOrganOx(オルガノックス)社を約15億ドル(約2,200億円)で買収し、臓器移植分野に参入しました。OrganOxの「metra®」は、肝臓を体温で保存し、酸素と栄養素を循環させることで保存期間を最大24時間に延長する技術を提供しています。この技術は、臓器移植の成功率向上と患者のQOL改善に寄与しています。
テルモは、社会価値創造(CSV)を企業戦略の中心に据え、以下の取り組みを推進しています:
これらの取り組みにより、テルモは持続可能な成長と社会貢献を両立させる企業を目指しています。
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