「日出処の天子(ひいづるところのてんし)」が能・狂言として舞台化され、野村萬斎さんの演出で話題を集めています。少女漫画舞台化の試みとして注目され、日本の伝統芸能の魅力を現代に伝える挑戦です。原作の神秘的な世界観を能や狂言の象徴的な動き、音、影絵で表現し、初心者でも楽しめる舞台となっています。公演情報や追加公演の最新情報もチェック必須です。
山岸凉子さんの名作少女漫画「日出処の天子(ひいづるところのてんし)」が、野村萬斎さんの主演・演出で、初めて能と狂言として舞台化されました。原作は飛鳥時代前夜を舞台に、厩戸王子と蘇我毛人の同性愛を軸にした壮大な物語で、40年以上読み継がれています。
長年の古典演目とは異なり、ゼロから台本や演出を作り上げる試みで、名場面の舞やせりふ、衣装などを萬斎さんと能楽師たちが議論しながら決定しました。特に不気味なシーンでは鉦(かね)の音で緊張感を演出し、ラブシーンは大道具と影絵で神秘的に表現しました。
東京・銀座の観世能楽堂で行われた4日間の公演は即日完売。能と狂言を融合させた表現で、原作の名場面をドラマチックかつコミカルに再現しました。観客からは「漫画と能の世界観が見事に融合している」「初心者でも楽しめた」と好評でした。
萬斎さんは「能楽の可能性を広げるための活動」と語り、古典の継承と新作の創出による現代への発信性を強調。新しいジャンルや作品とのコラボを通じ、能狂言の魅力を広く伝えたいと述べています。
追加公演も12月に決定しており、古典芸能の観客層拡大や後世への継承に向けた挑戦は今後も続きます。
山岸凉子さんの少女漫画「日出処の天子」は、飛鳥時代前夜を舞台に、のちの聖徳太子・厩戸王子を主人公とした物語です。王子とその側近である蘇我毛人との同性の恋愛を軸に、王族内の権力闘争や陰謀が壮大に描かれます。王子は毛人に愛されたいと願いながらも報われず、数奇な運命をたどる中で、神秘的な世界が展開されます。
作品全体を通じて、歴史的背景と幻想的な描写が融合し、40年以上にわたり読者を魅了し続けている名作です。
山岸凉子(やまぎし りょうこ)さんは、日本を代表する少女漫画家で、独特の幻想的で緻密な作風で知られています。1947年に兵庫県で生まれ、1970年代から少女漫画界で活躍しています。
山岸凉子さんの作品は、少女漫画の枠を超えた深い人間ドラマと哲学的なテーマを描くことで、多くの読者や後進の漫画家に影響を与えています。特に「日出処の天子」は40年以上読み継がれ、時代を超えた名作と評価されています。
厩戸王子と蘇我毛人が初めて出会うシーン。能の舞とお囃子によって、二人の精神的なつながりや運命的な出会いがドラマチックに表現されます。静かな舞台と象徴的な動きが、観客の想像力を引き出します。
性格の悪い王が弓の腕前を競う場面では、的を外すコミカルな動きやせりふの応酬が狂言の特徴として活かされています。軽妙なテンポとユーモアで観客を楽しませます。
王子が頼る父親が疫病で亡くなるシーン。疫病神が鉦を打ち鳴らしながら登場し、不協和音で不穏な空気を演出。父親役は着物だけで表現され、能ならではの象徴的表現で観客の想像力を喚起します。
王子と毛人が精神的につながることで奇跡の雨を降らせる神秘的な場面。抱き合うシーンは大道具に映し出された影絵で表現され、光と影の演出により幻想的な世界観を演出しています。
全体を通して、鉦や太鼓などの音が場面の緊迫感や幻想的な雰囲気を作り出す重要な役割を果たしています。また、能・狂言の形式を活かした象徴的な動きや小道具によって、観客の想像力で物語を補完する構造になっています。
今回の「日出処の天子」のように、漫画や現代作品とのコラボで能・狂言の新しい表現に触れることで、従来の古典だけでなく現代的な楽しみ方も広がります。
現状では、少女漫画を原作にして能・狂言として舞台化された例は非常に稀であり、「日出処の天子」が初めての試みとされています。
従来の能・狂言は、歴史物語や神話、古典文学を題材にすることが一般的で、現代の漫画や小説を原作とした舞台化はほとんどありません。
今回の舞台化は、古典芸能と現代のポップカルチャーを融合させる新しい挑戦として注目されています。
この舞台を観る方法は以下の通りです。
舞台の映像は、NHKプラスで配信予定です。放送は8月31日のおはよう日本(午前7時)から。動画配信の期限は9月7日(日) 午前7:40までとなっています。
東京・銀座の観世能楽堂での公演は既に好評で完売していますが、12月に追加公演が予定されています。チケット情報は公式サイトや能楽堂の案内を確認してください。
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