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開発・治験中の新薬の期待度ランキングトップ10(肥満、がん、フェーズ)

はじめに

新薬開発は世界中で加速しており、がん治療薬や肥満治療薬、さらには希少疾患を対象とした遺伝子治療が注目を集めています。最新研究は個別化医療の進展を背景に、より効果的かつ副作用の少ない治療を実現。免疫療法やmRNA技術の応用も広がり、医療の未来を変える新たな選択肢として期待されています。

目次

  1. 肥満の新薬
  2. がんの新薬
  3. その他の新薬
  4. 新薬開発の特徴と傾向

肥満の新薬

1. Orforglipron (LY-3502970)

開発会社名:Eli Lilly

適応疾患/目的:肥満・2型糖尿病の体重管理

フェーズ/最近の進捗:Phase 3 進行中、Phase 2で平均27ポンド以上の体重減少を確認

なぜ期待できるか:経口GLP-1受容体作動薬で、注射不要の利便性と強い体重減少効果を兼ね備える。

2. Retatrutide (LY-3437943)

開発会社名:Eli Lilly

適応疾患/目的:肥満・糖尿病・心血管リスク低減

フェーズ/最近の進捗:Phase 2試験で体重20%以上減少、Phase 3へ移行

なぜ期待できるか:GLP-1、GIP、グルカゴン受容体の三重作動薬で、極めて強力な減量効果が報告。

3. CagriSema (Cagrilintide + Semaglutide)

開発会社名:Novo Nordisk

適応疾患/目的:肥満・2型糖尿病

フェーズ/最近の進捗:Phase 3試験(REDEFINE)でセマグルチド単独を超える減量効果を確認

なぜ期待できるか:GLP-1とアミリン受容体作動薬の併用により、持続的かつ大幅な体重減少を実現。

4. Pemvidutide (ALT-801)

開発会社名:Altimmune

適応疾患/目的:肥満・MASH(代謝性脂肪性肝炎)

フェーズ/最近の進捗:Phase 2試験で有望な体重減少と肝疾患改善を確認

なぜ期待できるか:GLP-1とグルカゴン二重作動薬で、代謝疾患全般に幅広く適応可能性あり。

5. Amycretin

開発会社名:Novo Nordisk

適応疾患/目的:肥満・2型糖尿病

フェーズ/最近の進捗:Phase 1b/2a試験完了、さらなる開発進行中

なぜ期待できるか:GLP-1とアミリンの二重作動薬で、食欲抑制と血糖コントロールの両面に効果。

6. Survodutide (BI 456906)

開発会社名:Boehringer Ingelheim / Zealand Pharma

適応疾患/目的:肥満・脂肪肝疾患

フェーズ/最近の進捗:Phase 2で有望な結果、Phase 3計画中

なぜ期待できるか:GLP-1とグルカゴンのデュアルアゴニストで、体重減少+肝臓脂肪改善を両立。

7. Danuglipron (PF-06882961)

開発会社名:Pfizer

適応疾患/目的:肥満・2型糖尿病

フェーズ/最近の進捗:Phase 2試験で良好な減量効果確認、投与スケジュール改良中

なぜ期待できるか:経口GLP-1作動薬として利便性が高く、Lillyのorforglipronに対抗可能。

8. BI 1829XX 系列

開発会社名:Boehringer Ingelheim

適応疾患/目的:肥満・代謝性疾患

フェーズ/最近の進捗:早期臨床試験中(Phase 1/2)

なぜ期待できるか:新規作用機序による長期持続型の体重減少効果が期待されている。

9. Mazdutide (IBI362, LY3305677)

開発会社名:Innovent Biologics(中国) / Eli Lilly

適応疾患/目的:肥満・糖尿病

フェーズ/最近の進捗:Phase 3試験進行中(中国)

なぜ期待できるか:中国市場で先行開発されており、アジア圏での実用化が早い可能性。

10. CT-996

開発会社名:Carmot Therapeutics (Roche 買収済)

適応疾患/目的:肥満・糖尿病

フェーズ/最近の進捗:Phase 1/2進行中

なぜ期待できるか:独自の「Chemotype Evolution」技術から創出されたGLP-1系候補薬で、新しい分子設計が特徴。

がんの新薬

1. Datopotamab deruxtecan (Dato-DXd)

開発会社名:AstraZeneca / Daiichi Sankyo

適応疾患/目的:乳がん・非小細胞肺がん

フェーズ/最近の進捗:Phase 3試験で良好、承認審査中

なぜ期待できるか:抗体薬物複合体(ADC)の最新世代で、副作用を抑えつつ高い腫瘍縮小効果。

2. Mirzotamab clezutoclax (IMGN632 派生系)

開発会社名:ImmunoGen

適応疾患/目的:急性骨髄性白血病(AML)

フェーズ/最近の進捗:Phase 2進行中

なぜ期待できるか:抗体薬物複合体により標的性が高く、従来治療抵抗性のAMLにも効果の可能性。

3. Glofitamab

開発会社名:Roche

適応疾患/目的:B細胞性非ホジキンリンパ腫

フェーズ/最近の進捗:一部適応で承認済み、他のがん種でも臨床試験拡大中

なぜ期待できるか:二重特異性抗体で腫瘍細胞とT細胞を橋渡しし、免疫応答を強力に誘導。

4. Lifirafenib + Mirdametinib 併用療法

開発会社名:BeiGene / SpringWorks

適応疾患/目的:RAS/MAPK経路変異を持つがん(固形腫瘍)

フェーズ/最近の進捗:Phase 2/3試験進行中

なぜ期待できるか:シグナル経路阻害を組み合わせることで、耐性克服が期待される。

5. Tarlatamab (AMG 757)

開発会社名:Amgen

適応疾患/目的:小細胞肺がん

フェーズ/最近の進捗:Phase 2試験で奏効率良好、Breakthrough Therapy指定

なぜ期待できるか:DLL3を標的とする二重特異性抗体で、小細胞肺がんの新しい治療選択肢。

6. Iovance Lifileucel (TIL療法)

開発会社名:Iovance Biotherapeutics

適応疾患/目的:メラノーマ、子宮頸がん

フェーズ/最近の進捗:FDA承認済(メラノーマ)、他がん種で試験拡大中

なぜ期待できるか:腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を利用した細胞療法で、個別化免疫治療の先駆け。

7. Zolbetuximab

開発会社名:Astellas

適応疾患/目的:CLDN18.2陽性の胃がん

フェーズ/最近の進捗:Phase 3試験で有効性確認済み、承認申請中

なぜ期待できるか:分子標的がん治療の新しい領域を開拓し、患者層を特定できる精密医療。

8. RMC-6236

開発会社名:Revolution Medicines

適応疾患/目的:KRAS変異陽性がん(膵臓がん・肺がんなど)

フェーズ/最近の進捗:Phase 1/2進行中

なぜ期待できるか:KRASは「アンドラッガブル」とされてきた標的で、広範囲のがん治療に革命の可能性。

9. Seagen Tukysa (拡大適応)

開発会社名:Seagen / Merck

適応疾患/目的:HER2陽性乳がん・胃がん

フェーズ/最近の進捗:追加適応でPhase 3進行中

なぜ期待できるか:既存HER2治療に抵抗性の患者への新しい選択肢として期待。

10. PRMT5阻害薬(例:JNJ-64619178)

開発会社名:Janssen

適応疾患/目的:固形腫瘍・血液がん

フェーズ/最近の進捗:Phase 1/2進行中

なぜ期待できるか:エピジェネティクス制御を介して腫瘍細胞増殖を抑制、がん治療の新機軸。

その他の新薬

1. Lecanemab (Leqembi)

開発会社名:Eisai / Biogen

適応疾患/目的:アルツハイマー病

フェーズ/最近の進捗:FDA承認済み、他国での承認申請進行中

なぜ期待できるか:アミロイドβを標的とし、疾患進行抑制効果を初めて大規模試験で実証。

2. Donanemab

開発会社名:Eli Lilly

適応疾患/目的:アルツハイマー病

フェーズ/最近の進捗:Phase 3試験で疾患進行抑制を確認、承認審査中

なぜ期待できるか:早期アルツハイマー病で有効性を示し、疾患修飾薬として大きな期待。

3. Eplontersen

開発会社名:Ionis Pharmaceuticals / AstraZeneca

適応疾患/目的:遺伝性トランスサイレチン型アミロイドーシス (hATTR)

フェーズ/最近の進捗:Phase 3試験で有効性確認済み

なぜ期待できるか:アンチセンスオリゴヌクレオチドによる革新的治療で、希少疾患患者に新しい選択肢。

4. Zuranolone

開発会社名:Sage Therapeutics / Biogen

適応疾患/目的:大うつ病性障害・産後うつ病

フェーズ/最近の進捗:FDA承認済み(産後うつ病)

なぜ期待できるか:従来の抗うつ薬より即効性があり、短期間投与で効果を発揮する初の治療薬。

5. Inclisiran (Leqvio)

開発会社名:Novartis

適応疾患/目的:高コレステロール血症

フェーズ/最近の進捗:複数国で承認済み、日本も申請中

なぜ期待できるか:siRNA技術を用い、年2回の投与でLDLコレステロールを大幅低下。

6. Sotatercept (Winrevair)

開発会社名:Merck

適応疾患/目的:肺動脈性高血圧症 (PAH)

フェーズ/最近の進捗:FDA承認済み、他国申請中

なぜ期待できるか:血管リモデリング抑制を狙う新機序薬で、生命予後改善が期待される。

7. Rozanolixizumab

開発会社名:UCB

適応疾患/目的:重症筋無力症 (MG)

フェーズ/最近の進捗:FDA・欧州承認済み

なぜ期待できるか:FcRn阻害薬で病因抗体を低下させ、希少自己免疫疾患の新たな選択肢。

8. Efgartigimod (Vyvgart, 皮下注製剤)

開発会社名:argenx

適応疾患/目的:重症筋無力症・CIDPなど自己免疫疾患

フェーズ/最近の進捗:既承認薬の皮下注型が開発進行中

なぜ期待できるか:利便性向上で患者負担を軽減、適応拡大も進行。

9. Nirsevimab (Beyfortus)

開発会社名:Sanofi / AstraZeneca

適応疾患/目的:RSウイルス感染予防(乳児)

フェーズ/最近の進捗:米欧日で承認済み

なぜ期待できるか:乳児RSV感染を1回投与でシーズン中防ぐ初の抗体製剤。

10. Crispr-Cas9遺伝子編集療法(Exa-cel)

開発会社名:Vertex Pharmaceuticals / CRISPR Therapeutics

適応疾患/目的:鎌状赤血球症・βサラセミア

フェーズ/最近の進捗:欧州・英国で承認済み、米国でも承認審査通過

なぜ期待できるか:初の遺伝子編集治療薬として歴史的意義があり、根治療法への道を拓く。

新薬開発の特徴と傾向

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