【2025】地政学リスクランキング一覧まとめ（きっかけ、日本の立場）

ロシアの対ウクライナ戦争の長期化と越境拡大

• リスクの内容：戦線の流動化、エネルギー/穀物供給と欧州安全保障の不安定化。
• 関係国：ウクライナ、ロシア、NATO/EU、G7。
• 現在の状況：2025年夏も戦闘は継続し、戦況は断続的に変動。ロシア・ウクライナ双方の攻勢や越境作戦が注視点。
• リスクのきっかけ：前線の崩壊、インフラ攻撃の激化、支援の遅延/縮小。
• 日本の立場/関与：対露制裁とウクライナ支援（資金・復興・非 lethal 装備協力等）を拡充。G7やEUと連携。

ガザ戦争とレバノン方面（イスラエル対ハマス/ヒズボラ）の地域化リスク

• リスクの内容：ガザでの戦闘長期化と北部戦線の拡大に伴う域内全面戦争・原油/海運の攪乱。
• 関係国：イスラエル、パレスチナ（ガザ）、レバノン、イラン、エジプト、米国など。
• 現在の状況：2025年8月時点、停戦交渉の動きが再燃する一方、ガザでの攻勢・住民避難が続く。レバノン国境でも強い緊張が持続。
• リスクのきっかけ：停戦協議の決裂、国境越えの大規模報復、域外勢力の直接介入。
• 日本の立場/関与：即時停戦・人道支援を一貫して支援、邦人/船舶安全や原油市況への影響を注視。

台湾海峡の緊張（米中対立の焦点）

• リスクの内容：軍事演習・経済圧力・グレーゾーン事態の常態化。
• 関係国：中国、台湾、米国、同盟・同志国。
• 現在の状況：演習や進入頻度の高止まり、選挙・対中政策を巡る緊張持続。
• リスクのきっかけ：「現状変更」を伴う軍事行動、誤射・接触事故、経済制裁の激化。
• 日本の立場/関与：「台湾海峡の平和と安定は不可欠」との立場。日米同盟の抑止力強化、自衛力整備（反撃能力など）を推進。

南シナ海の衝突リスク（特にフィリピン沖）

• リスクの内容：公船の衝突/放水/拿捕等のエスカレートで、条約義務国を巻き込むおそれ。
• 関係国：中国、フィリピン、ベトナム、マレーシア、米国、同盟国。
• 現在の状況：係争海域での危険行為が散発、補給・実効支配をめぐり緊張が継続。
• リスクのきっかけ：重大な人的被害事故、艦船の損壊、条約上の集団防衛発動に至る事案。
• 日本の立場/関与：法の支配・航行の自由の支持、沿岸警備/海保連携や装備供与で比等を支援。

紅海・バブ・エル・マンデブ海域の海運リスク（フーシ派攻撃）

• リスクの内容：海上攻撃でスエズ経由物流が迂回・運賃上昇、原油/商品価格へ波及。
• 関係国：イエメン、米英・有志連合、周辺湾岸諸国、世界の荷主。
• 現在の状況：攻撃・迎撃が持続し航路選好が変化、保険料・輸送コストの高止まりが続く。
• リスクのきっかけ：大型商船の撃沈、主要ポート・パイプライン攻撃。
• 日本の立場/関与：邦船舶保護・情勢注視、関係国と連携した海上安全確保を模索。

北朝鮮の核・ミサイル開発と露朝接近

• リスクの内容：ICBM・SRBM運用強化、核態勢誇示、地域三国（日米韓）への圧力。
• 関係国：北朝鮮、日本、韓国、米国、ロシア/中国。
• 現在の状況：2025年も短距離弾道ミサイル等の訓練・実射を継続し即応態勢を誇示。
• リスクのきっかけ：衛星/ICBM実験の再開、軍需協力の深化、越境挑発。
• 日本の立場/関与：迎撃態勢の常時化・制裁堅持、日米韓の抑止強化で対処。

イランの核問題と湾岸情勢

• リスクの内容：濃縮高度化・監視空白の長期化で「ブレイクアウト」懸念、海峡封鎖・タンカー拿捕の波及。
• 関係国：イラン、イスラエル、米欧、湾岸諸国。
• 現在の状況：核協議の停滞と中東情勢の緊張が相互に悪循環。
• リスクのきっかけ：施設攻撃/報復連鎖、核関連の重大発表。
• 日本の立場/関与：外交通路の維持・原油調達の安定化を重視、対話関与を継続。

米中の通商・テクノロジー摩擦の激化

• リスクの内容：関税・輸出規制・投資規制の拡大でサプライチェーン再編圧力。
• 関係国：米国、中国、同盟・パートナー諸国。
• 現在の状況：半導体・AI・電池など戦略分野で相互制限が拡大、関税政策も不確実性が高い。
• リスクのきっかけ：追加関税/域外適用、重要素材の禁輸・価格操作。
• 日本の立場/関与：経済安保強化と多角的な供給網の再設計、対米・対中の両面マネージメント。

インド−中国の国境対立（ラダック等）

• リスクの内容：係争地での対峙長期化、偶発衝突の連鎖。
• 関係国：インド、中国。
• 現在の状況：実効支配線（LAC）沿いの兵力展開は高止まり、局地的緊張が断続。
• リスクのきっかけ：パトロール衝突、実弾使用、空域での危険接近。
• 日本の立場/関与：法の支配と対話を支持、日印安保協力・多国間演習を通じ抑止環境を後押し。

サヘル/西アフリカの不安定化（クーデター後の地域秩序変容）

• リスクの内容：治安空白と越境テロ、移民流出・資源供給混乱。
• 関係国：ニジェール、マリ、ブルキナファソ、周辺諸国、EU等。
• 現在の状況：域内枠組みと西側の関与が揺らぎ、治安の不安定が継続。
• リスクのきっかけ：国境地帯の大規模攻撃、採掘・インフラ拠点の占拠。
• 日本の立場/関与：人道・治安支援、在外邦人保護、鉱物供給網のリスク管理。

ベネズエラ−ガイアナ（エセキボ）を巡る係争の再燃

• リスクの内容：資源権益と領有権を巡る軍事的示威、カリブ/南米の不安定化。
• 関係国：ベネズエラ、ガイアナ、米・ブラジルほか。
• 現在の状況：仲介努力が続く一方、演習・国境展開の応酬リスクは残存。
• リスクのきっかけ：資源開発の既成事実化、越境衝突。
• 日本の立場/関与：国際法尊重・対話支持、資源市況・企業投資への影響を注視。