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【ローン・オフェンダー(単独テロ犯)とは】警視庁公安部に設置、事例、英語では?
はじめに
【ローン・オフェンダー(単独テロ犯)とは】警視庁公安部に設置、事例、英語では?についてまとめました。英語では、「lone offender」 または 「lone actor」 と呼ばれます。これは、組織や共犯者に属さずに単独で攻撃を計画・実行する人物を指す言葉です。その他、日本のローン・オフェンダー専門課での活動予定、日本の事例、海外の対策部署の活動や功績の紹介など。
目次
警視庁は2025年4月、公安部に「ローン・オフェンダー(単独テロ犯)」を専門に捜査する新部署を設置する予定です。これは安倍晋三元首相の銃撃事件や岸田首相の演説会場での爆発物事件など、組織に属さず一人で過激化する単独犯による事件が増加していることに対応するためです。
新設される「公安3課」は、他部門からの情報を集約し、SNS上の不審な投稿や薬品販売における購入者確認などの対策を強化します。また、既存の「公安1課」と「公安2課」を統合し、「公安3課」を「公安2課」に改称します。
「ローン・オフェンダー」は英語で 「lone offender」 または 「lone actor」 と呼ばれます。これは、組織や共犯者に属さずに単独で攻撃を計画・実行する人物を指す言葉です。テロリズムの文脈では 「lone wolf」 という表現も使われることがありますが、これはより非公式な言い方です。
2025年4月に警視庁公安部に設置予定の「ローン・オフェンダー(単独テロ犯)」専門課での活動予定は、近年増加する単独犯による攻撃を未然に防ぐため、従来の公安部の体制を拡充し、さまざまな予防的・捜査的活動を強化することを目的としています。具体的な活動予定は以下の通りです。
1. 情報収集の強化
- SNSやインターネット監視: ローン・オフェンダーは、組織に属さず、個人で計画を進めることが多いため、SNSやインターネット上での過激化や不審な動きに対する監視が強化されます。特に、犯行予告や過激な思想を持つ投稿がないか警戒し、早期にリスクを発見することを目指します。
- 前兆情報の集約: 刑事や地域警察、生活安全部門など、他の警察部門が職務質問や巡回で得た「前兆情報」を一元化し、公安3課がそれを活用して分析を行います。これにより、孤立した犯行の計画段階での発見と対処が可能となります。
2. ローン・オフェンダーの予兆分析
- 異常行動や不審行動の監視: ローン・オフェンダーは個人的な動機や背景で行動することが多く、事前の準備段階で異常行動を示す場合があります。職務質問や日常の警察活動で把握された不審な行動を蓄積し、分析することで、事件を未然に防ぐ体制を整えます。
- デジタル技術の活用: 犯行予兆の検知には、AI技術やビッグデータ解析を活用して、大量のデジタルデータから潜在的な脅威を発見することも視野に入れています。特に、SNS上の特定の言葉や行動パターンをアルゴリズムで追跡する技術が利用されると考えられます。
3. 薬品や危険物の販売監視
- 水際対策の強化: 安倍晋三元首相や岸田文雄首相襲撃事件で使用された手製の銃や爆発物のように、単独犯が自作した武器や爆発物を使用するケースが増えています。このため、薬品や危険物の販売業者に対して、購入者の身元確認を徹底させる「水際対策」が強化されます。これにより、危険な材料がテロリストの手に渡るのを防ぐことが目的です。
4. 全国警察との連携強化
- 警察間の情報共有: ローン・オフェンダーによる攻撃は全国各地で発生する可能性があるため、警視庁公安部の新組織は全国の警察とも緊密に連携し、情報共有を進めます。特に、地方警察が地域で収集した情報や、不審な動きが全国的な脅威とつながる場合もあるため、横断的な情報網を活用します。
5. テロリズムの予防と未然防止
- 予防的アプローチ: ローン・オフェンダー型のテロ事件は、犯行が予測しにくいため、事件発生前の段階で予防的に対策を講じることが重要です。過去の事件の分析を基に、どのような人物が孤立し過激化しやすいかを特定し、その兆候をいち早く発見するための対策が取られます。
- 教育と啓発活動: 犯行を防ぐための市民への啓発や、インターネット上でのリスクに対する警戒を呼びかけることも、新しい課の役割となる可能性があります。市民からの通報システムを強化し、早期に異常な行動や状況に気づける体制づくりを目指します。
6. 公安部門の再編成
- 組織改編: 新しい「公安3課」が設置されるのに伴い、これまでテロや過激派を担当していた「公安1課」と「公安2課」が統合され、右翼団体を担当していた「公安3課」が「公安2課」に改称されます。これにより、ローン・オフェンダー専門の捜査部門が明確化され、組織の効率化が図られます。
新組織は単独犯による攻撃が予測しにくいことを考慮し、従来の手法に加え、新しいテクノロジーや情報共有システムを駆使して、テロリズムや重大犯罪の未然防止に努める体制となります。これにより、要人警護や公共の安全がより確実に守られることが期待されています。
日本でも過去に「ローン・オフェンダー(単独犯)」による重大事件がいくつか発生しています。以下に、代表的な事件をいくつか挙げます。
岸田首相襲撃事件(2023年)
- 概要: 2023年4月、和歌山市での選挙演説中に、岸田文雄首相が襲撃される事件が発生しました。犯人は、手製の爆発物を首相に向けて投げ込みましたが、首相は無事でした。容疑者は事件現場で取り押さえられました。
- 特徴: 手製爆弾を使用した単独犯による事件で、安倍元首相銃撃事件と同様、手製の武器を使うローン・オフェンダーのリスクが浮き彫りになりました。
安倍晋三元首相銃撃事件(2022年)
- 概要: 2022年7月、奈良市で選挙応援演説中の安倍晋三元首相が銃撃され、死亡しました。犯人は山上徹也という一人で行動した元海上自衛隊員で、手製の銃を使用していました。動機は、安倍氏が犯人の母親が献金していた宗教団体(統一教会)と関係があると信じていたことでした。
- 特徴: 手製の銃を使い、宗教的な恨みに基づく単独犯の行動でした。この事件を契機に、要人警護やローン・オフェンダーの監視体制が強化されました。
新幹線車内無差別殺傷事件(2018年)
- 概要: 2018年6月、東海道新幹線の車内で小島一朗が乗客を無差別に襲撃し、1人が死亡、2人が負傷しました。犯人は精神的に不安定な状態にあり、特定の人物ではなく、無差別に人を襲う意図を持っていました。
- 特徴: 公共の場で起きた無差別殺傷事件で、犯行が単独で行われました。これをきっかけに、列車内の防犯体制が見直されました。
秋葉原通り魔事件(2008年)
- 概要: 2008年6月、東京・秋葉原で加藤智大がトラックで歩行者をひき、さらにナイフで通行人を次々に刺すという無差別殺傷事件が発生しました。この事件では7人が死亡、10人が負傷しました。犯人は事件前にインターネット上で犯行予告を行っていました。
- 特徴: 単独犯による無差別殺傷事件で、犯人は社会に対する強い不満を抱いていたとされ、ローン・オフェンダー型の事件として広く知られています。
附属池田小事件(2001年)
- 概要: 2001年6月、大阪教育大学附属池田小学校で、元精神病患者の宅間守が小学校に侵入し、包丁で児童8人を殺害、15人に重傷を負わせました。宅間は精神疾患があったとされ、動機は社会や教育機関への強い恨みでした。
- 特徴: 犯行は単独で行われ、児童を標的にした無差別殺傷事件で、日本国内に大きな衝撃を与えました。
東京メトロサリン事件(1995年)
- 概要: 1995年に発生した地下鉄サリン事件はオウム真理教による組織的犯行ですが、これを受けて、オウム信者の中には、その後、ローン・オフェンダーとして活動した者もいました。特に一部の信者が単独で、さらにテロ行為を計画したケースが見られました。
- 特徴: 当初は組織的でしたが、最終的に単独犯による活動も増えたことが、ローン・オフェンダーの問題を強調する要因となりました。
総評
日本におけるローン・オフェンダー事件の多くは、無差別殺傷や要人襲撃など、社会不安や個人的な不満から引き起こされたものが多いです。これらの事件は、日本社会に衝撃を与え、防犯や警備の強化、精神疾患患者のケア体制の見直しなどに影響を与えました。
海外では、テロリズムや過激な個人による攻撃に対処するため、多くの国が「ローン・オフェンダー(単独テロ犯)」に特化した捜査部署や対策チームを設置しています。いくつかの国の例と、その活動や功績を紹介します。
1. アメリカ合衆国
部署: アメリカの連邦捜査局(FBI)や国土安全保障省(DHS)の一部門では、ローン・オフェンダーを含む国内テロ対策に力を入れています。
活動・功績:
- 2016年、FBIはオーランドのナイトクラブでの銃乱射事件(オマル・マティーンによる事件)を受け、ローン・オフェンダーのリスクに対する対策を強化しました。
- また、SNS上での過激な発言や行動予兆を監視するシステムを強化し、未然にテロを防ぐ努力が行われています。2018年にはサンディエゴでの無差別銃撃計画を未然に防ぐことに成功しました。
2. イギリス
部署: イギリスのMI5(英国保安局)や警察のカウンターテロ部門は、ローン・オフェンダーの監視に重点を置いています。
活動・功績:
- MI5と警察は、2017年のロンドン橋攻撃やマンチェスター・アリーナ爆破事件の後、ローン・オフェンダーへの監視を強化しました。これにより、2020年にはストリートでの刃物によるテロ攻撃を未然に防ぐことができました。
- SNSやインターネット上でのリクルートや過激化の兆候を追跡し、テロ計画を未然に阻止する対策を強化しています。
3. フランス
部署: フランス国家警察の情報部門や国内治安総局(DGSI)が、ローン・オフェンダーに対する警戒活動を展開しています。
活動・功績:
- 2016年のニースでのトラック襲撃事件を受け、フランスでは単独で行われる攻撃への監視を強化しました。2021年には、パリ市内で発生しそうだった一連の爆破計画を未然に阻止するなど、複数の計画を摘発しています。
- フランスは市民からの通報システムを強化し、過激化の兆候がある人物を特定する取り組みを進めています。
4. ドイツ
部署: ドイツ連邦刑事庁(BKA)は、ローン・オフェンダーを含む国内テロ対策に特化したチームを編成しています。
活動・功績:
- 2019年、ハレで発生したユダヤ教会への銃撃事件を受け、ローン・オフェンダーへの監視をさらに強化しました。その後、SNSやインターネット上での過激化に関与した人物をいち早く特定し、計画を未然に防ぐ成功例が増えています。
- 近年では、ネットでのテロリストグループのリクルート活動に対する監視を強化し、テロの未然防止に努めています。
5. オーストラリア
部署: オーストラリア連邦警察(AFP)とASIO(オーストラリア安全情報機関)が、ローン・オフェンダーの監視とテロ対策を担当しています。
活動・功績:
- 2014年のシドニーでの銃乱射事件を受け、単独犯による攻撃のリスクが指摘され、SNS監視を強化。2020年にはメルボルンで予定されていたテロ攻撃を未然に防ぐことに成功しました。
- また、オーストラリアはローン・オフェンダーのリスク評価モデルを開発し、特定の行動パターンや過激化の兆候を迅速に捉えるシステムを導入しています。
各国はテロの予防やローン・オフェンダーの特定に大きな力を注いでおり、SNSやインターネットの監視、疑わしい行動の早期発見、そして強力な法執行機関との連携が成功の鍵となっています。
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